【ワイヤレスイヤホン iitrust D026-C-BLK-EC レビュー】ほどよい広さがあり、音にはあたたかみと透明感
カナル型のBluetoothスポーツイヤホン。 密閉性が高いせいか遮音性はそれなりにあり環境音の低減は感じられるが、反面音漏れはかなりある。
aptXには対応しない。
【1】外観・インターフェース・付属品
付属品は英語のマニュアルとUSB充電ケーブル、イヤーピースの替え。
左右のイヤーピースは平形コードでつながれているが、このコードにはタッチノイズが入りやすい。
【2】音質
音質的にはドンシャリ。 尖りすぎない透明感と温度感の同居した音、左右に広さの感じられる音場、そこそこ活きの良い低域。 大音量では刺さりやすいところがあり、シャリシャリ感を感じやすい味付けではある。
[高音]:透明感が強めでやや尖りを感じる音。かすれた感じもあり、ボーカルはハスキーに聞こえる傾向もある。刺さりやすいところもあり(秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト)
[中音]:左右が強くステレオ感が強い。
[低音]:ややぼやけた感じはあるが存在感のある音。100hz~50hzくらいまでは基本的に素直に減衰するが、40hz以下は振動感はあるが、はっきりした音になっていない気がする。気になる点は当方の個体だけかも知れないが、80hz付近に局所的な荒れがあって乱れる。ただこれは個体差やドライバーの成熟度の問題の可能性もある(分島花音「killy killy JOKER」、重低音音源動画でテスト)
[解像度・立体感]:左右を意識しやすいので液晶テレビのような横長の平面を感じやすい(petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト) [パーカッション・リズム]:ドラムはハリがあり、地鳴り感も出るので存在感がある。基本的には安定感重視(東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト)
[ボーカル傾向]:高域はややかすれが感じられやすく、息づかいのようなものが出やすい。透明感はあるがやや明るみとのびやかさが足りない感じで若干暗く感じるかも知れない。
【3】官能性
やなぎなぎ「ユキトキ」は女性ボーカルののびやかさと方向感の強い音楽演出に面白みのある曲。 このイヤホンだとボーカルの透明感は悪くないが、のびやかさは少し減じられていて、元気さが足りないところはあるかもしれない。 またシンバルがかなりシャリシャリシャンシャンとなりやすいのが若干気になる。
Kylee「大好きなのに」は低域に迫力があり、リズム感を感じられる力強い曲。 このイヤホンは比較的相性が良いと思うが、サビ付近でパーカッションの弾けがかなり強く、これに面白みを感じるかで評価が分かれそう。 重みのあるパーカッション表現を好む人には軽く感じられるし、ボーカルにかかるので少しガチャガチャしていると思えるかもしれない。
Rasmus Faber「ミラクルガール Jazz Ver.」を聞いても少しパーカッションが軽く尖って聞こえる。 一方で金管楽器の吹き鳴らしは悪くなく、息継ぎや空気を振動させる感じが出ている。 ピアノはそこそこ鮮やかで悪くない。
【4】総評
少し尖ったように感じられる味付けが気にはなる。 空気感のようなものが感じられ、アナログ的なあたたかみのようなものも感じられるが、サ行に近い音がかなりシャリっとするので、そうした温度感もときに引き裂いていくところがある。
低域は比較的素直に減衰する存在感と躍動感のある味付けに思うが、強みと言えるほどの材料になるかは微妙だ。
ただ弾けた感じは強く出るので、クラブミュージックなどでは迫力を感じやすいかも知れない。