【カナル型イヤホン Mopo ES-G レビュー】イヤーピースの装着性はなかなかよい。音にはメリハリ感と明瞭感があり、聞きやすさと元気の良さはなかなか魅力的
スポーツタイプの有線イヤホン。 イヤーピースはねじ込むタイプではっきりとした装着感があるが、装着性は高いタイプ。 これはスポーツ用とを考えた設計と言えるだろう、 密着度が高いせいか遮音性は高く、それなりに環境音を低減するが、音漏れは比較的大きい。
【１】外観・インターフェース・付属品
イヤーピースの替えやマニュアルなどは付属しない。 コードは細めでコードノイズはかなりある。
【２】音質
音像はやや粗いところがあり、音量を大きくすると音割れするところがあるほか、高音に割れと刺さりが出やすい。 一方で音にはほどよい明瞭感とキレのよさがあり、シャープでアタック感は比較的良く出る。 低価格イヤホンとしては比較的音にメリハリがあって気持ちよい。
女性ボーカルは意外と透明感と鮮やかさもあって味わい深いところはあるが、全体的に軽くて薄っぺらい感じはある。 またギターがやや斜めに奥まっているのに対し、キーボードやピアノがやや前面に出る傾向がある。
［高音］：シャリ気味であり、やや音割れするようなノイズ感が消えないが、透明感と突き抜け感は悪くない（秦基博「水彩の月」、井口裕香「Hey World」、多田葵「灼け落ちない翼」でテスト）
［中音］：中域はややざわつく。端のほうで音割れする感じもあるが、シャープさのある音はキレがよい。音に重みはない反面、奥行き感はありそこそこ立体的
［低音］：100~90hzは粗く、ざわついているが、80hz以下になるとややぼわーっとしたところがあるものの、存在感のある振動になる。40hz以下はほぼ存在感はない。躍動感はあるが、重みと深みに欠けるところあり（分島花音「killy killy JOKER」、重低音音源動画でテスト）
［解像度・立体感］：低域は目立たなくサポートに徹していて、地平線の上に三角形を築く音場（petit milady「azurite」、分島花音「world's end, girl's londo」でテスト）
［パーカッション・リズム］：全体的に軽いが、立ち上がりとメリハリが良く、意外と躍動感のある味付け。あっさりしているが、仕事はかなり丁寧にしてくれるイメージ（東京カランコロン「スパイス」、nano.RIPE「ツマビクヒトリ」、JOY「アイオライト」でテスト）
［ボーカル傾向］：ボーカルには透明感とのびやかさもあり、とくに女性ボーカルはきれいに出る。分離感も一貫しており、歌詞は聴きやすい。
【３】官能性
東京カランコロン「スパイス」はパーカッションの躍動的な表現とギターの味付けを終始丁寧に表現していて、ややあっさりしているがなかなかよい。 ボーカルに透明感とのびやかさもあり、歌詞もよく聞き取れる。 ドラムにほとんど存在感がないのでサビ前などにやや拍子抜けするところがあるが、全体としてよく味が出ている。
多田葵「灼け落ちない翼」はボーカルの透明感とキーボードの鮮やかな旋律がきれいに表現される。 ボーカル主導でどんどん前方に展開していき、キーボードがそれを支えながらときには前面に出てきて突き抜けていく曲調の味を強める。 一方でパーカッションに重みがなく、存在感があまりない。
Claris「Colorful」はキーボードとボーカルが近く、やや楽器音にボーカルが押されるところがあるが、透明感と伸びやかさ・突き抜け感が揃っていて飛翔感もあり、心地よい。 聴き応えは十分でベースの味付けがかなり薄くて足場が弱いのが気になるが、逆に浮遊感は強い。
【４】総評
シャープで明瞭感の強い音でこの価格帯にしては聞きやすい音。 パーカッションにも躍動感はあり、メリハリもあるが、存在感は薄く、中域と低域の境目くらいは音割れしやすく荒れるところがある。 低域はあまり存在感がなく、深掘り感もない。
一方で女性ボーカルの声には透明感と伸びやかさがあり、きらきらとして華やかな味が出やすく素直に楽しい。
