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今号はやや迷走する週刊新潮

週刊新潮 2016年 3/17 号 [雑誌]

 

 巻頭はトランプ旋風関連。

 トランプ氏陣営と気脈を通じる日本政府関係者がほぼいないという話から唐突に故柏木昭男氏のエピソード紹介に入る。 しかしすでに過去の話だし、なんでこの記事を巻頭に持ってきたのかわからない。 ネタ不足を感じさせる。

 

 新国立競技場の問題に関連して実名で批判する記事はむしろ責任所在がはっきりしない東京五輪運営の体質を改めて赤裸々にする。 とにかく記事を読めば今回の聖火台問題もある人が保身のために切り出して混乱を招いている面も指摘しており、本来先送りで了承していたようなこうした問題が顕在化するのも複数の部署が十分な意思疎通をせずに動いていて、一つの問題でこじれると他に波及するという構造的な運営体制の不備がある。

 誰が最終責任者なのか不明確で、かつ実務レベルの調整者が不在なため、末端で問題が発生するとただちに他の箇所に転移する。 しかも末端と末端が統制が取れていないので、好きな方向に動くからますます傷口が広がる。 そんな様子が透けて見える。

 

 そして相撲協会八角体制の記事は事実この通りであるとすれば、もはや相撲協会は死に体。 背景には北の湖体制後の権力闘争があるので情報提供元が偏っていてバイアスがかかっている可能性もあり、にわかに記事を鵜呑みにはできないが、それでもこういう情報が複数筋から次々流れてくることからしてガバナンスが働いていないことは事実だろう。

 

 高市発言に関わる朝日批判はためにする記事で内容は何を言ってるのかわからなかった。 どうも朝日の従軍慰安婦誤報とかそれに関連する池上氏のコラムの掲載拒否を言論弾圧とし、高市発言を批判する根拠はないと言いたいようだが、次元の違う話を同列に並べる意味がわからない。

 朝日が自分の新聞に載せる言説を選ぶことは一定程度認められるべきであり、今回の件はたしかに朝日の対応は極端で当初は誠意を欠くものであったことは事実だし掲載拒否という業界の体質問題に有効な一石が投じられたことは事実だが、権力による封殺とは危険度のレベルも質も憲法的意味も圧倒的に異なる。

 高市発言は法を執行する大臣の発言が法令制定の意図と反すると思われる内容を述べているのが問題なのであり、強制執行力に関わる問題だ。 メディアが権力批判をするのは何も問題ではないし、言論を独占する是非はともかく自由の旗手という意識を持つのは当然でむしろ現状はその意識が足りないくらいだ。

 

 問題はメディアの既得権益は社会的な公共知に資するから許されるものであるというのはその通りだが、それを判断する権限を政権側に委ねることが公共の福祉の観点から適切かどうかであるという議論が深められていないことだ。

 高市発言はそうした議論の前提を踏まえずに一足飛びに執行を論じるから問題なのであって、法令遵守で対応するといえば済むところをあえて執行を匂わすところに問題がある。 放送法4条と電波法76条の法令遵守の在り方についてはなお議論を深める余地があるからだ。

 そして放送法4条本来の意図は成立の事情を考えると、むしろ政権側の介入を防ぐために設けられている可能性が高い。

 

 最後に注目連載と銘打っていた永田町の闇は結局核心に迫らないまま終わってしまった。 捜査が動き出したようであり、そのため連載休止となるようだ。

 

週刊新潮 2016年 3/17 号 [雑誌]


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