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特集タイトルはアレだが、内容は意外とまじめ

週刊東洋経済 2016年3/19号 [特集:キレる老人]

 

 今号の特集は老人。

 つい先日ダイヤモンドが同じような特集をやっていて、そちらはあまり内容がなかったが、東洋経済は意外に深掘りされている。

 キャッチーなタイトルで記事前半は東洋経済オンラインの記事をそのまま引っ張ってきたかのような週刊誌的な話題だが、後半は社会保障やシルバーデモクラシーの問題を取り上げていて、どんどん真顔になっていく。

 

    ◆◇◆

 

 さて、シルバーデモクラシーについて、なぜ若者の声が政治に反映されないのかという問題だが、これは意外に簡単だ。 単純に国会議員に若者がいないから反映されないのである。

 東洋経済自民党組織の問題として取り上げているが、むしろこれは日本の政治制度そのものの問題とも言える。 東洋経済は若年層の声を政治に反映させようとする政党の不在を論じているおり、これはまさしくその通りであるが、政党側の問題というよりは若年層の声を反映させづらい日本の政治制度特有の問題がある。

 官僚層と経済界の意向に比較的忠実な政治体制的特徴もあるが、それ以上に国会議員の立候補資格に年齢制限とそれ以上に厳しい経済制限があり、経済力のない今現在苦しんでいる若者が国会議員に至る道は狭い。 国会議員は生活者に比べて問題意識に乏しく、既成の秩序の成功者の側にいることが多いために、既存秩序に肯定的という傾向があるのは否めまい。

 同時に国会議員の多くがワーキングプアに苦しむ若者などと比べて明らかに経済的成功者であり、生活実態は貧困層と異なる。 国会議員の大半が社会的弱者や若者と意識を共有してない、できない政治構造が問題の核心にある。

 これは我が国固有の問題というわけではなく、アメリカのトランプ&サンダース旋風を見ればわかるように先進国共通の問題と言えるかも知れない。

 日本の政治制度にはその点で直接民主制に近いものを取り入れて改善する余地があり、地方自治レベルでの裁量権の拡大、国政に専門家の助けを借りて国民が直接法案を提案できる制度の充実、所得による供託金の調整や立候補条件の緩和、政治家に年齢制限をかけてさらに若年枠・女性枠を設けるなどの選挙制度の根本的改革が必要であろう。裁判員制度なんかより休日議員制度、国民議員制度を作った方がよほど政治は柔軟化するはずだ。

 

 問題はこうした議論にはつねに法学者などの専門家が関わるべきなのであるが、日本の大学は官学的性格が強いせいか、結果的に政党に与同する学者が選ばれたり、反対する法学者がいても無視されるのは安保法制の審議過程の如くになるであろうことが予想されること、同時に諮問機関の政策提言というものが過去ほとんど政策に反映されていないという実態などを考え合わせると、日本の学界にも求められている専門性、そして独立性はない。 中立性のない専門知識はむしろ権力に奉仕する道具と化すところがあり、現状追認的な議論に終始する傾向がある。

 必要なのは国民が広く危機意識を共有し、現代の日本の低成長の原因が社会の構造的問題にあるということに目を向け、構造改革を目指す政治勢力を全般的にバックアップすることである。 それは同時に敢えて火中の栗を拾うが如く、困難に立ち向かう政治家の覚悟を必要とする。 そうでなければ不満のエネルギーは暴力という形で噴出し、日本の国家構造そのものを破壊する方向に進む可能性がある。 合法的なものの正当性に人々が疑いを差し挟むようになったとき、それは秩序体系に根本的な危機を生じさせる。

 

 求められているのは誰もが認識している少子化や超高齢化、ワーキングプア、格差問題、社会保障などの問題を柔軟に解決できる政治システムの構築であり、それによって社会に弾力性を取り戻すことだ。

 

    ◆◇◆

 

 長くなったので割愛するが、ほかにシャープの記事、相鉄の記事、再生エネの記事も面白い。

 

週刊東洋経済 2016年3/19号 [特集:キレる老人]


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