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国際金融の深奥に屹立する象牙の塔。各国の金融政策を支配し、莫大な利益を上げる世界最強の銀行の正体

BIS(ビーアイエス)国際決済銀行 隠された歴史

 

 世界の金融政策において主要なプレーヤーとして注目されるのは各国の中央銀行総裁、そしてIMFや世銀などの国際機関だ。 だが各国の金融政策により直接的な影響を与える立場にありながら、一般にはほとんど知られていない国際機関がある。

 それこそが国際決済銀行。 その歴史は古く、本来は第一次世界大戦後のヴェルサイユ体制下でドイツの賠償金を決済するために発足したのを起源とする、金融部門において最も古い国際機関だ。 この銀行には各国中央銀行総裁が定期的に集まり、金融政策を議論し決定する。 その関与のレベルには国ごとに序列が設けられており、会議は外部には非公開、議事録さえとられていないという。

BISとは編集

 

  この銀行は膨大な官僚組織によって支えられており、スイス当局によって治外法権が認められていて職員の給料からは税金も免除されている。 そしてこの国際決済銀行、通称BISにその創立当初から強く関与するのがドイツであり、それはナチス政権下でも第二次大戦中も、そして戦後になっても変わらなかったという。

 

 この知られざる国際機関が世界の金融政策にどれほど大きな影響を与え、方向付けをしているかをその歴史から紐解いていく。 この金融機関は直近のリーマンショック金融危機の時でさえ利益を上げ、着実に成長し、膨大で堅実な収益力は国際的に高く評価されている。 傘下のバーゼル銀行規制委員会は実際は何ら法的拘束力をもたらすものではないのに、その決定が各国の金融機関にダイレクトに影響を及ぼす。

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 著者はBISが果たしてきたプラスの役割を十分に知った上で、それでもマイナス面が大きいと強調する。 あの第二次世界大戦中でさえ、BISはナショナリズムを越えて各国出身の職員が一丸となって国際金融を滞らせることなく動かしていた。 ナチスはそれ故に戦争遂行の資金を得ていたのであるが、金融の混乱を招かなかったのはBISの功績である。

 一方でBISが国際金融に規制をかける実効性ある力を持っているにも関わらず、自身は国際的な法的訴追を完全に免れており、その金融政策が正常に動作するのを監視するものが全くないというのが根本的な問題点だ。

 

 著者が「世界で最も影響力がある、最も遅れた国際機関」と名指しする国際機関の功罪を問う迫真の一冊、読み応えありだ。

 

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