息づかいさえ聞こえてくる。胸に沁み入る花火の儚い輝き

花火のあと

　青春時代の儚い一瞬に迫る情感たっぷりのおすすめナンバーだ。

　全体に下支えしてアコースティックな雰囲気を出すメロディーラインに息づかいが聞こえるほどのボーカルが重なる。 一声一声の明瞭な空気を振るわす感じが、まさに一瞬一瞬を切り取り心に刻みつけようとする思いにつながっているのだ。

 　サビでは弦楽の音が加わり、情感を高めるが、これはこの一瞬を掴みきれない寂しさを感じながらも、花火が胸に沁み込んで永遠的な心像に変わっていく音のようだ。

　ラスト付近では鼓動が高鳴るようにインタールードで楽器の音が盛り上げていく。 よりボーカルの密度が増し、曲調はセピアに色づくかのように楽器が落ち着き、ボーカルに集中する。 胸が詰まるような緊張の一瞬だ。開いては散っていく美しい花火を見ながら、この一瞬も消えていくのであろうかという予感とともに。

　彼女の心は花火に揺れていただけではない。

　泣きそうになりながらも勇気を振り絞って、彼女は想いの丈を言葉にしたのであろう。 想いが言葉となっていくその瞬間にこの曲の全てが集中し、そしてそこから色づいてラストへと穏やかに向かう。

　どこか懐かしい、甘酸っぱいおすすめの曲だ。

山崎あおいとは

花火のあと

• 山崎あおい
• J-Pop
• ¥250
• 

• provided courtesy of iTunes

花火のあと

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