僕の冒険用インベントリ

個人的な持ち物を紹介するブログサイトです

知識本

揺籃の中で生まれ変わる欧州

揺れる大欧州――未来への変革の時 欧州の現況の混乱について一通り憂慮を示した後、EUがそれでも存続すべきだと論じる内容。 欧州の対立や矛盾について、政治経済、気候風土、安全保障にいたるまでかなり多岐にわたって論じている。 そのうえで欧州という枠組…

デモ充という弊害

「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか (ちくま新書) 左翼運動がデモの中で新たな広がりを見せているが、それは実際には社会から遊離していく。 そうした矛盾した在り方に批判を加え、改めて国民に運動をどう根づかせていくかという課題として提示する…

防衛予算という名の朝貢貿易

週刊朝日 2016年 3/18 号 [雑誌] かつての中国王朝に対する朝貢貿易は基本的に朝貢する側が儲かったというが、現代の朝貢貿易は搾取される一方のようだ。 今号の朝日の巻頭記事では米国の言いなりになって防衛装備品を爆買いする安倍政権の姿が詳細に報じら…

日本の学歴社会の実態

AERA (アエラ) 2016年 3/14 増大号 [雑誌] 学歴への期待は高収入への期待。 それは学歴が正当に知識や教養として評価された結果なのかと今号のAERAは切り込む。 AERAの回答は学歴はシグナル。 だから低学歴者が収入に不満を感じるのと同様、むしろ大学院卒は…

商社の憂鬱は深い

エコノミスト 2016年 3/15 号 [雑誌] 資源安の影響に苦しむ商社。 原油価格には底入れが見られ始めているが、原油が仮に回復基調に入ってもそれが業績に反映されるまでのタイムラグがある。 むしろ来期までは積み重なった減損処理が顕在化して業績を圧迫する…

わかりやすくフィンテックについてまとめている

週刊ダイヤモンド 2016年 3/12 号 [雑誌] (FinTechの正体) フィンテックと一言に言われているが、その内実はさまざまある。 あくまでフィンテックとは金融とITテクノロジーの融合によって生まれる金融革命の総称である。

2016年、企業業績の動向を東洋経済が読み解く

週刊東洋経済 2016年3/12号 [企業業績特集] 今号の特集は企業業績を巡るリスクシナリオを総点検する内容。 大方の想定以上に外部環境に振らされる日本株の原因を探る内容だ。

今号は仏教とお墓の問題。もう少し掘り下げて欲しかったが

週刊東洋経済 2015年 8/8-15合併号 特集は寺と墓地、葬祭。 これはほとんど読む価値がない内容。 まず地方寺院の経営悪化問題や高野山の資産運用失敗の問題はかなり既報に属する問題で目新しさがない。その後の進展などを盛り込んでいれば良かったが、そんな…

室町戦国的な関東秩序の破壊をもたらす序章となった大乱

天正壬午の乱 増補改訂版 天正壬午の乱とは聞き慣れない用語だが、織田家崩壊後空白地帯となった甲信地方の、上杉・北条・徳川による争奪戦のことである。

国史編纂の意図と国史継承の枠組み、二つの重要な論点を丁寧に解説

六国史―日本書紀に始まる古代の「正史」 (中公新書) 本書は六国史それぞれの性格とともにその編纂意図についての既存研究を紹介して日本における国史編纂の実際とそこに込められた政治的意図について丁寧に解説する。 この前半部だけでも十分に読み応えある…

バブル崩壊の道筋を詳しく辿る良質なドキュメンタリー

検証 バブル失政――エリートたちはなぜ誤ったのか バブル経済の発生と崩壊についてとくに政策当局者である日銀や財務省の側から見ていく内容。 とくに繰り返し強調されるアメリカ政府の圧力はバブル経済が一方で外交問題としての側面があったことも窺わせる。…

光秀の実像に迫る特集

歴史人 4月号 今号は明智光秀特集。 いまなお論争を呼んで定説のない本能寺の変における光秀の意図だが、その他出自なども謎に包まれており、光秀は織田家で活躍した中年から壮年期以外その生涯の最初と最後は謎だらけというのが実際だ。 今号はそうした光秀…

今号の収納の斬新さに驚いた

CasaBRUTUS(カ-サブル-タス) 2016年 4月号 今号の収納特集は面白い。 もはや生活を演出していると言って良い個性的な収納インテリアが紹介されていて、見ているだけで興味深い。それぞれの部屋にコンセプトデザインがあり、収納をどう生かして生活空間を楽し…

高市早苗大臣の変節遍歴と野球賭博汚染の広がり、そして川谷絵音

週刊文春 2016年 3/17 号 [雑誌] 巻頭は高市早苗大臣の政治的変節遍歴をまとめる内容の記事。 権力志向が強い側面を強調している。 一方で親分肌ではないために女性首相候補の本流から若干外れた、その微妙な立ち位置も浮き彫りにする。

四大陸選手権と全日本選手権の感動と興奮をもう一度

ワールド・フィギュアスケート 73 四大陸選手権と全日本選手権を中心に大会レポートは読み応えがある。 とくに巻頭の四大陸選手権は宮原選手のインタビューが掲載されていて、初優勝の感動を伝える。

公正で適正な介護ビジネスが必要とされている

介護ビジネスの罠 (講談社現代新書) この本に書かれている介護ビジネスの実態は恐るべきもので、法令遵守どころか常識的な倫理観さえ欠如した事業者が多いということを赤裸々に記している。 著者はこうした違法で質の低い介護ビジネスに対して行政の対応が十…

おそらく主張には賛否両論ある。だがとりあえずリーマンショックに当たった金融当局者の声としては重要

ガイトナー回顧録 ―金融危機の真相 どうしてベアスターンズを救済し、リーマンは救わなかったのか。本書の要点はそこに尽きるだろう。

実務能力よりイデオロギーに翻弄される大統領選、世界最大のエンタメ

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2016年 3/15 号 [創刊30周年 特別企画 国際情勢入門 病める超大国] 先号から始まった地域別情勢特集、第二弾はアメリカだ。 混迷する大統領予備選の様子を中心に報じる。

低成長時代の資本主義の救世主となるかも知れない「減価する貨幣」

シルビオ・ゲゼル入門―減価する貨幣とは何か 本書は日本ではあまり知られていない経済学者シルビオ・ゲゼルの経済理論を一般向けにわかりやすく解説する一冊である。 シルビオ・ゲゼルはその特異な経済理論が強調されるが、一方で彼の減価する貨幣は期間と地…

戦争を食い物にしていたアメリカ金融界と企業

国際金融同盟―ナチスとアメリカ企業の陰謀 第二次世界大戦中アメリカの金融界や産業界の代表的な企業がナチスの戦争遂行に協力していた事実をつまびらかにする一冊。

羽生選手の今までの写真が満載

フィギュアスケート応援団 vol.2 (英和MOOK) 2007年~現在までのフィギュア各選手の写真が多く掲載されているが、なかでも羽生結弦選手の写真は圧倒的。 大きめの写真で写真集のように眺めることができて満足感は高い。 表紙の笑顔も素敵で思わず手が伸びてし…

非正規雇用の拡大は職業選択の自由を高めるのか

週刊東洋経済 2015年10/17号 [雑誌] 第一特集は非正規雇用。 この問題は根深く、思わず目をそらしがちな話題だが、よく取り上げたと思う。 本来非正規雇用というか雇用流動化社会は個人の職業選択の自由を高めるとともに適材適所を推進し、企業側にも真にコ…

この世の理不尽さは自分の理不尽さ

「無理」の構造――この世の理不尽さを可視化する 本書は面白い。 この世界のあらゆる物事にある非対称性を可視化することで、自分の認識を変え、考え方を柔軟化して無理をしない生き方・在り方を考える本になっている。

マイナス金利で方向性の見えない銀行特集

週刊東洋経済 2016年3/26号 [雑誌] 今号の特集は銀行。 マイナス金利導入で改革待ったなしの状況に追い込まれている。 前半は3メガ銀の収益構造や次期社長・頭取人事を取り上げる。 読み応えがあるのは後半で、地銀再編やマイナス金利政策がゆうちょや生保を…

今号は読み応えあり!経済学の知識をほどよく盛り込みながらビジネス書の古典も紹介している特集に混迷する仏教業界特集

エコノミスト 2016年 3/29 号 [雑誌] 「会社で役立つ経済学」の特集は素直に面白い。 ほかのビジネス誌で似たような広告特集まがいのビジネス本特集があるが、エコノミストは古典的でしっかりした本を多く紹介しており、経済学の専門書に限らずまじめな書籍…

有力候補にまさかの汚点。乙武氏の不倫すっぱ抜き

週刊新潮 2016年 3/31 号 [雑誌] 今号の巻頭にびっくり。 あの『五体不満足』の乙武氏が不倫に手を染めていたという。彼は教育者でもあり、東京都教育委員も務めていた。それが不倫とは呆れるばかり。

ショーンK独占インタビューと偶像化したテレビ局の功罪。そしてスティグリッツ教授の的確なアベノミクス批判

週刊文春 2016年 3/31 号 [雑誌] 巻頭はショーンK独占インタビュー。 いろいろ疑惑に答えている内容だが、歯切れが悪い。 文春は学歴詐称どころか川上氏の人生そのものが虚飾に彩られていると考えているようだ。 そしてそうしたショーンKという偶像を作って…

トランプ旋風の裏で高まるイデオロギー対立、そして地域別特集は注目のヨーロッパ

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2016年 3/29 号 [もしもトランプが大統領になったら] 今号はまずトランプ大統領特集。ニューズウィークはトランプ現象の裏にオバマ政権成立の衝撃があったことを論じている。 オバマ旋風で人種主義を超えた多元的なリベラ…